『ドリアン・グレイの肖像』(2021・配信)

 

The Picture of Dorian Gray

ヘンリー卿(Alfred Eanoch)、なぜか異様に既視感がある…なぜ…と思って調べたら、Netflix『殺人を無罪にする方法』とTom Hiddleston主演の舞台『コリオレイナス』に出演している俳優さんでした。見覚えがあるはずだよ!(ちなみにヘンリー卿はハリー・ポッターにも出演している)

新型コロナ下の現代に舞台設定を移した作品だけれど、作品の雰囲気というか、リズム?が not for me かな…という感じ。

2017年Andrew Scott主演の『ハムレット』みたいに、時代設定を現代に置き換えた舞台作品をカメラで撮影した映像なのかと思いきや、映画のような作りだったので少し驚いたけど、ドキュメンタリーのインタビュー風の映像や、Youtube/Instagram/Twitchでのライブ配信映像、携帯電話を使ったテレビ通話の映像、監視カメラ風の映像など、色々なタイプの映像が織り交ぜられており、視覚的に楽しい作品だった。その一方で、セリフが現代の口語的な英語と、おそらくシェイクスピアじゃないかと思うのだが、古めかしい舞台的な英語をが混ざっているのがなかなか好きになれなかった。もう少しセリフ(言葉)の形式に一貫性がほしいのだけど、このへんは自分が英語の舞台作品を見慣れていないからかもしれない。映像のスタイルに関しては好き嫌いが分かれるんじゃないか……というのが、前半までの感想。
→自分の理解が及んでいないだけでは?と思ったので2回目おかわりしたら、シヴィルがA Shakespeare Scene A Day ってテーマでSNSに投稿してるシーンだった。そりゃシェイクスピアのセリフが混ざるよ!

後半(ドリアンがTwitchに動画配信を移行して以降)は話の雰囲気や映像の色調、リズムがどんどん重くなっていくのと、ヴィクトリアン朝時代の頽廃とかデカダンスとか…なんか…いろいろ…私が期待してた耽美な世界と違う…!いや、私の期待する方向性が間違ってたのか…!?と、作品の雰囲気になじみにくく感じた。

話が進んでドリアンがネットの世界に没入すればするほど、画面の中で青色の占める率が高くなるのだけど、緑色じゃなくて青色なのはドリアンがヴィランじゃないからなのかしら。

そういえば、Alfred Eanoch演じるヘンリー卿は私にとって最高of最高にセクシーなヘンリー卿だったのだけど、白人男性を誘惑する性的に奔放な黒人か…いつだって白人男性を堕落させるのは有色人種……とも考えてしまった。実際にはバジルの開発したアプリを使ったドリアンが、ネット依存症状態になって独り地獄に転げ落ちていくわけだけど。同じキャストでヘンリー卿とドリアンの配役が逆バージョンになってるプロダクションも製作してくれないかな……Alfred Eanoch演じるドリアン・グレイ、見たいな…